相続税の申告で債務控除した未払医療費は相続人の医療費控除にできる?
質問:
父が亡くなり、最後の入院費や治療費など未払いの医療費を相続税の申告で「債務控除」として相続財産から差し引きました。
この医療費を私が実際に支払ったのですが、私の所得税の医療費控除の対象にもできますか?
✅ 回答
はい、できます。
📖 解説
1. 相続税の取扱い(債務控除)
被相続人(亡くなった方)が死亡時点で未払いだった医療費は「確実な債務」として、相続税法上は相続財産から控除できます。
👉 相続税の課税価格を正しく計算するための仕組みです。
2. 所得税の取扱い(医療費控除)
相続人などが、亡くなった方の未払医療費を実際に支払った年には、その支払った人自身の医療費控除に含めることができます。
・所得税法基本通達73-1:生計を一にする親族が支払った医療費は控除できる
・所得税法基本通達73-2:未払分は対象外、支払った年に計上する
👉 国税庁の質疑応答事例「死亡した父親の医療費」でも、長男が支払った医療費は長男自身の医療費控除になると明記されています。
3. 二重控除ではない理由
・相続税:亡くなった時点の財産評価を正しくするための債務控除
・所得税:実際に負担した人の税負担を軽減するための所得控除
税目・根拠・目的が異なるため、両方で控除することは法的に問題ありません。
✍️ まとめ
- 相続税:未払医療費は債務控除できる
- 所得税:相続人が実際に支払った年の医療費控除にできる
- 二重控除ではなく、それぞれ別の制度で認められている
👉 つまり「相続税で債務控除した未払医療費」は、支払った相続人の医療費控除にも使えるというのが正しい取扱いです。

